健康コラム

2023.09.26

大人のアトピーのケース

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前回に続き、アトピーのお話です。
子どものアトピーと大人の(ティーンエージャー以降の)アトピーは症状が異なります。小さい子はジトジトと湿っぽい湿疹なのに対し、年齢が上になるとより乾燥傾向になります。
湿疹が出る場所も、赤ちゃんはお顔に出るケースが比較的多いですが、成長するにつれて手足の曲がる場所や首・背中、重症では全身に湿疹が出ます。
強い皮膚トラブルがなく、いつもは湿疹なんて気にならないのに、実家に帰省した時やお友達の家に遊びに行ったりすると、鼻詰まりや目のかゆみなどアレルギー症状が出る場合があります。これはアトピー傾向と考えるのが妥当でしょう。こういう方々は、ダニやカビ、ほこり(ハイスダスト)、化学物質(化粧品や薬剤、石けん類)にも敏感で、中には紫外線に敏感さを持つ場合もあります。

お父さんやお母さんなどの血縁者にアトピー性皮膚炎・気管支喘息・花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー結膜炎・食物アレルギーなどの人がいる場合、その体質を受け継いでアレルギーを起こしやすくなります。ご自身も、そのような病気を患ったことがある場合も、アレルギーを起こしやすい体質と考えられます。

子どものころにはアトピーなんて気にもせず薬はせいぜい市販のムヒくらいだったよねという方が、大人になって発症する場合もあります。大人の発症とはいえ、よくよく話を聴いてみれば、たいていは汗疹(あせも)がひどいとか、唇が荒れやすいとか、上瞼が赤く痒くなりやすいとか、アトピー徴候を経験しています。

大人のアトピーにしろ、子どものアトピーにしろ、手ごわい慢性疾患なので時間をかけて忍耐を持って取り組む必要があります。

大人の悩ましい湿疹。たいていは、ストレスなど何らかの負荷がかかった時に発症します。一度発症するとなかなか引かず、いろいろネットサーフィンして調べてホメオパシーが着地点になる方もいらっしゃいます。

下の画像は、首の赤みとかゆみが気になりご相談くださった女性。
子どもの出産後より、首に湿疹が出ました。最初は虫刺され程度に感じていたけれど、痒みが強くどんどん広がり赤くて目立つのでどうにかして欲しいとご依頼でした。
話を聴くと、小さい頃から汗をかくと両膝の裏にかゆみのある発疹が出ていたそう。夏は汗をかくのであせもがひどく、暑い時期は膝の後ろにタオルをはさんで汗に負けないようにしていたそうです。そして、この方は慢性的なひどい片頭痛にも困っていました。

出産を機に出てきたアトピー症状

画像の通りブツブツが出ているのではなく、平べったい皮疹です。しかし、赤みが強く目立つので悩んでおられました。もちろん、痒みも強く爪でなぞるように掻かれていました。
皮膚湿疹のレメディを選ぶのは難儀で、一進一退を繰り返していました。忍耐強くホメオパシー相談を継続してくださり、そして一時的な好転反応への理解もあり、ホメオパスとしてはとてもありがたいことでした。
産後の不調のSepシイピアももちろん素晴らしいレメディでしたが、最終的にはAurオーラムというゴールドのレメディをメインレメディとすることで明らかにヒットしたと感じています。
ホメオパシーをご存じの方は「なんだ、オーラムか」と思われるかもしれません。確かに、Aurは頭痛の代表レメディの一つとして名が知れていますので合点がいきますが、相談の当初はなかなかAurの像は現れないもので、慢性的な頭痛に悩まされているとはいえ、自分の頭痛症状についてのホメオパシー的なアセスメント(主訴と観察眼)ができているお客さまはなかなかいらっしゃならないもの。
私はRadarOpusというホメオパシー・ソフトを活用していますが、振り返れば、あぁやっぱりAurだったか、という感じです。

今回のお客さまは、首の皮膚症状は落ち着きました。しかし、アルコールを飲んだら旧湿疹部位に赤みが増したり、月経前に一時的にかゆみが出ることがあるというので、今はセルフケアでLachなどのレメディを取りながら様子を見ている状況です。

ホメオパシーのレメディ選びは個別性が必要なので、アトピー症状には副腎皮質ステロイド軟こうを、というようなマニュアルがないのが悲しいところですが、健康相談を検討中の方は1年くらいは取り組む気持ちで、心に余裕と忍耐をもってお申込みいただければと思います。

長文、最後までお読みいただきありがとうございます。

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