健康コラム

2022.10.19

進行性の難聴

  • 健康相談

昨日は #難聴 のご相談。
思春期に、とある症状のために、病院で接種した左側頭部の注射以降、左側の難聴を発症。
徐々に進行し、CTやMRIやら一通りの検査は受けましたが原因は不明。
40年以上経過した今、補聴器を使用しようか悩まれながら当相談室へお越しになりました。

もともとは精神的な問題をホメオパシーで解決したくて知人からの紹介でご予約なさったのですが、耳の症状も気になり、今後の聴力低下も含め話題の大半は難聴についてとなりました。

内耳のデリケートな構造は、解熱鎮痛剤(オピオイド)の毒性影響を受けやすいことがアメリカの研究(ニュージャージー医科大学1999 ~ 2018 年までの20年間の追跡研究)で分かっています。
その他、抗生物質や利尿剤、化学療法薬、抗うつ薬、抗結核薬なども難聴を引き起こす可能性がある薬剤だと分かっています。

難聴を引き起こす可能性のある薬剤

抗生物質

聴器に毒性があることが知られている抗生物質には、アミノグリコシド、エリスロマイシン、バンコマイシンa. アミノグリコシド、ストレプトマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン、ネチルマイシン。特になんらかの身体疾患の緊急時において血管注射で投薬した場合に聴器毒性があります。

利尿薬

急性腎不全や急性高血圧症の治療のために、利尿剤のラシックス、エンデクリン、ブメックスなどを静脈内投与した場合、聴器毒性があることが知られています。さらに、経口薬にも聴器毒性があることも知られています。

化学療法薬

シスプラチン(商品名:シスプラチン、ランダ)、ナイトロジェンマスタード(アルキル化抗がん剤)、ビンクリスチン(商品名:オンコビン)は、抗がん剤として投与されると聴力毒性があります。患者さんが多剤投与で聴器毒性を持つ薬物をすでに服用している場合には、この毒性はさらに悪化することがわかっています
※ナイトロジェンマスタードは化学兵器の一つです

抗けいれん薬

抗けいれん薬(キニーネ)は、蚊を媒介して感染するマラリアや、夜間の筋肉痙攣(ひきつけ)の治療に使用されます。キニーネの毒性効果はアスピリンに類似し、通常は薬の使用を中止すると聴力は回復すると製薬会社は主張しています。

抗うつ薬

抗うつ薬が耳鳴りを引き起こしたり悪化させる可能性があると言われています。
三環系抗うつ薬(第一世代の抗うつ薬:商品名:アナフラニール、トフラニール、イミドール、トリプタノール)とSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:商品名:デプロメール、ルボックス、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ、プロザックほか)。
SSRIの中でも最も聴力毒性が高いと言われているクロミプラミンとアミトリプチリンは日本未承認薬です。ただし、承認されているプロザック、ゾロフト、パキシル、ルボックスなどのSSRIは聴力毒性が確認されています。

アスピリンおよびその他のサリチル酸系薬剤

アスピリンやアスピリンを含む製品は聴器毒性があり、 1 日に平均 6 ~ 8 錠を服用すると出現します。この聴力への中毒作用は、投薬を中止すればほとんどの場合元に戻ると言われています。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDS) も聴器毒性を起こす場合があり、1 日平均 6 ~ 8 錠を服用した後に現れます。アスピリン製剤と同様に、投薬を中止すれば毒性は元に戻ると言われています。 

難聴のレメディ

老人性難聴は加齢に関係していますので完全な問題解決は困難です。
しかし、更年期以降の女性において訴えの多い耳鳴り、それに伴う聞こえにくさについては、加齢と片付けられない場合も多く、たいていは更年期のレメディを中心にお出しして経過をゆっくり見ていただくようになります。
今回のお客さまに関しては、幼少期から中耳炎を繰り返していたとのことから、耳鼻科領域での抗生物質の多用が可能性として考えられました。
腎臓のフォローとともに、これら薬剤のレメディをお持ち帰りいただきました。
今後の経路を見守ります。

難聴のレメディは、クライアント様限定で記事を閲覧いただけます。

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