お知らせ

2022.12.10

2023年からの健康相談運営について

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来年度からの相談室の運営が大きく変わります。結論から先にお話しすると、依頼があって訪問看護師を兼務することになりました。これに至る経緯については記事の後半でご説明します。
一番悩んだのは、常勤勤務によるホメオパシー相談業の縮小。ですが、夜の時間帯や土日を活用してみなさまのニーズに変わらずお応えしていこうと考えています。どうぞクライアントの皆様、今後ともホメオパシー相談をご利用ください。
私はこれからもずっとホメオパシーは大・大・大好きですし、一生勉強を続けて、できることなら来世でも(人間としてこの世に戻ったなら)ホメオパスとして活動を続けたいと真面目に思っています。

過去を振り返りながら、なぜこのお仕事を引き受けたのかをご理解いただけるとうれしいです。今回は長文で申し訳ないのですが、どうぞお付き合いください。

看護師として働く

看護の専門学校を卒業後、5年間は看護師として県立病院で病棟勤務をしました。まだナースキャップが当たり前で、白いストッキングにスカートの時代です。男性の看護師はいません。
ナースキャップのピン止めをいろいろ変えて、お洒落を楽しんでいました。ちなみに、私は真珠や水晶など。婦長さんクラスになるとエメラルドとかルビーとか高級宝石になるんですけどね。
私が就職するちょっと前の時代は、給与は現金支給だったので婦長さんの給与封筒は、横に立つくらい支払われていました。
ご存じの方もいるかと思いますが、夫と出会ったのは病院勤務一年目のとき。この出会いは大いに盛り上がる内容で、書くと長く長~くなるので、またみなさんと懇親会などでもしたときにお話ししましょう~^^。
白衣はキラキラと美人に見えるのでしょう。スキー場の恋愛と一緒かも笑?
結婚20周年を越え、夫には「むかしは白衣の天使と思ってたけど、今は白衣の悪魔じゃ」(広島弁)などと言われるようになりましたが(;^_^A。
この県立病院勤務は、夫の県外での起業に伴って自主退職。上司からはもったいないねぇ…公務員だったら勤め上げたら年金がいっぱいもらえのに、などと言われました。

保健師として働く

結婚&大阪へ引っ越した後は、子育ての兼務もあって保健師として就労しました。そもそも、保健師資格は看護師でなければ取得できない国家資格ですから、職業選択は不思議なことではありません。
夜勤がなくて出勤日が調整できる非常勤でという条件で探したら、社会保険庁の外郭団体の保健師求人募集がありました。企業の健康診断のフォローアップをする保健師です。企業に出向いて集団指導をしたり、健診結果についてお一人お一人と対面で健康教育を行うお仕事でした。
この経験で、私はたくさんの人の前で話すことに少しずつ慣れていきました。
子育てを両立しながらしっかり働くーーー。
女性として一つの憧れでしたが、第一子は病気の連続。入退院も繰り返すので思うように出勤できず「すみません。子供が熱を出したのでお休みします」が毎度になりました。
夫は古いタイプの人間ですので「母親が子育てをする、男は外に出て働く」という観念が強く(今はずいぶん変わったけど)、病児保育に協力することはゼロで保育園の送り迎えから保護者会活動、食洗濯掃除などの家事一切は私の役割でした。


では、子育てが一段落したら看護師に復職するかというと、離職のブランクは大きな影響を与えます。日進月歩で進化する医療に、自分の知識や技術が追い付かない。日本看護協会は、こういった離職経験者の再復帰を支援する様々な研修会を開催しています。研修会には、過去に私も何度か参加しました。
とてもありがたいことで、点滴の手法や電子カルテの取り扱いなど小さな技術からすべて教えてくれます。病院で使う注射針は私が看護学生の時とずいぶん変わりました。何しろ20年前のことだから当たり前ですね。
今は、点滴や注射の抜針後、使用した注射針がホルダーにスッとオートメーションで入って、看護師などの針刺し事故を未然に防止できるようになっています。
ま、この手のタイプは高価な針ですので、通常の診療で使う機会はあまりなく、どちらかというと血液感染の恐れがある患者さんに使うことが多いのですけれども。
研修会に十回以上参加したかな、参加者はみんなブランクのある看護師ばかりなので「すごーい」「今はこんなになってるんや」とキャッキャと学生気分でとても楽しかったなー。

さて、子育てが一段落したら病棟看護師として復帰するか、というと体力の問題があります。夜勤は相当きついお仕事です。かつて20代の私でも夜勤明けの足のむくみは強かったですし、今でいうブレイン・フォグ(頭の芯がぼぅーっとする)など強く感じていました。
サーカディアン・リズム(体内時計)を乱すのですから年中、時差ぼけしているようなもの。当たり前ですね。
大規模な総合病院になると、病棟の看護師長は順番に夜間外来の受付なども兼務しますので、しんどいといつもぼやいておられたのを懐かしく思い出します。
看護協会の研修で、ブランクの穴埋めを学びながら、どう働いていこうかと思案していました。

訪問看護師として働く

私が看護ブランク10年というところで、看護協会の研修会でお会いした方に、帰りの電車の中で訪問看護ステーションでの就労をスカウトされました。
当時は、第3子が年長さんで、時間的にも少し余裕が出てきていましたので二つ返事でお引き受けし、訪問看護師として働きました。
強烈に記憶に残っているのは、訪問するたびにキング牧師の英語スピーチ全文を話して聞かせてくださる男性。この方は、認知症があって、糖尿病でインスリンの自己注射をして、脳梗塞があって片麻痺、膀胱麻痺もあるので自己導尿をする、すごい病気のてんこ盛りの方でしたが都会のマンションに一人暮らしをなさっています。
さすが都会だな~、僻地だとすぐに施設入所を勧められる状態ですが、料理も掃除もヘルパーさんがお越しになって、さらに性欲を解決するお姉ちゃんまで自宅に呼ぶという…。
私は訪問して入浴介助をすると、「あんたも一緒に入らんか。背中流してやろうか」などと言ってくる笑
自分らしく生きる、自分らしく死ぬが在宅ではできるんですね。素晴らしいなと思います。
このお仕事は夫の仕事の都合で引っ越すまで1年間という短い期間でしたが、涙も笑いもいっぱいあって私の人生観や看護観にも大きな影響を与えています。


そもそも私が保健師を志したのは、退院後の患者さんの生活を支援する「在宅看護」に興味があったからです。退院後の患者さんはいったいどんな暮らしをしているんだろう。看護はずっと継続するので、暮らしに応じた看護を学びたい。そう思って進学して1年間勉強しました。保健師学校のメンバーは、社会人も半分くらいいて私なんかよりもずっと頭のいい人がいっぱい。勉強についていくのが精いっぱい。社会制度の勉強も複雑で、学生同士のグループワークは自分が意見するのが恥ずかしくて、まさに落ちこぼれの学生でした。
当時は、訪問看護制度はなく、自治体の保健師などが状況に応じて無償で家庭を訪問するという形でした。今はすっかり細分化されていますね。

看護教諭として働く

大阪の暮らしはとても楽しかったのですが、子育てにはもう少し自然が豊かな方がいいなーと感じるようになりました。当時私が所属していた「自然育児の友の会」から学ぶこともたくさんありましたし、会が主催する講座にくるママ達はみんな意識髙い系。でも何年か経つうちに、不自然な大都会という環境に居ながら自然を求めることに無理があると思うようになりました。「遊び」にいちいちお金がかかるし、よりよい「食」を求めると天井がありません。
ちょっと外で焼き芋がしたいな、が叶わぬ環境。ベランダでプランター菜園をしながら限界を感じ始めました。自然豊かな場所は日本には山ほどあって、引っ越し先は悩みに悩みました。視察と称して長野や茨城、千葉や埼玉などあちこちに出かけて住まいを探しました。そうこうしているうちに東北の地震。原発問題も絡んで九州地域に移動を絞りました。
そして、いくつかの山あり谷ありを経て熊本へ。
熊本に引っ越して4人目の子育てをしていたところ、知人から看護教員のお誘いがありました。産休育休の代替を探している、すぐに勤めてほしいとのことで、経験もない私でしたが養護教諭の資格があるので、看護教員として教壇に立つことになりました。
資料の準備にとにかく時間がかかり、黒板に書く手はぶるぶると震えます。机に伏せて居眠りをする学生を前に、面白い授業をすることの難しさを感じていました。看護師を経験している教員は少ないのが現状なので、できるだけ病院での患者さんとの体験談を交えて看護師という仕事をイメージしてもらうことに努めました。学生さんたちにとっては少し変わった、はっきりものを言うおばちゃんだったかなと思います。
教員職は累計3年半の勤務でしょうか。患者さんに寄り添うとは何か、病むとは何か、私の求めている看護とは何かを改めて考える貴重な機会になりました。久々に読む看護雑誌を手に(今は電子書籍になったけど)、専門性が高まって素晴らしい一方で、「気を森を見ず」現象が強まって、患者さんの心を見つめるケアが不足して無機質な看護の傾向を感じています。
出産・子育てを経験した私は、過去に看護師として働いていた頃よりもいっそう深く、家族という集合体で物事を考えることができるようになりました。若いころはわかっていなかった(感じていなかった)ことがほんの少しだけ見えるようになりました。それだけ年齢を積み重ねてきたということだけど、まだまだ勉強不足です。
楽しかった教員職、コロナ禍では病院実習もままならず校内実習の2年間となりました。教員が、患者・医者・看護師の3役をこなしながらペーパー・ペイシェント(模擬患者)で、学生たちの看護的観察眼と考察力を育てていくという位置づけでしたが、模擬はどこまで行っても模擬。
患者さんの苦悩を伝えることはできず私にはフラストレーションがたまりました。患者さんが「痛い」と言ったら、「痛いんだな」と思える学生を育てたかったのです。思いは行動に現れますが、思えなかったら行動できません。痛みを経験したことのない自分がどれだけ心を馳せることができるか、がポイントです。なかなかこれを使てるのは私には難しく、辞職を決めました。もっと私に教える能力があれば、どのような状況環境でも、看護学生と素晴らしい関係性を持つことができただろうと思います。

深刻な看護師の人手不足

町を歩くと「医療スタッフ募集」の看板があちらこちらで目に入ります。
看護学生の就職率は100%、国家資格を取得したら引く手あまたで全国どこに引っ越しをしたとしても働くことができます。
看護師に限らず医療や福祉に携わる職種の人手不足は、運営母体にとっては以前から大きな課題です。(賃金を安く使える)准看護師の養成所がなくならないのも医師会などの職能団体の強い要望があるからこそ。
近年の経済の不安定さや女性の自立運動からでしょうか、看護師を志す人はうんと増えました。
しかし、すでに資格を持っている看護師も他の業種に転職をしていることなどから、看護師の人手不足は深刻です。

2022年11月、イギリスでは大規模な看護師のストライキ運動が行われました。この理由は物価高の中においての低賃金労働と激務に対して。
イギリスは、日本と似た国民健康保険サービスがあります。英国に在住する人々は基本無料で受けることができます。その財源は98.8%が公費にて賄われており、2021年の英国の歳出額の約10%以上に相当し、ここで従事する医療関係者への支払い分はその6割と膨大な規模です。医療保険に入っていないと手厚い医療が受けられないアメリカとは異なり、気軽に近隣のかかりつけ医を受診することができますね。
これが仇になったのかは分かりませんが、コロナ禍において受診者が殺到し看護師が悲鳴を上げたんですね。人手不足ですので、緊急性を持たない治療は延期され、その数710万人(2022.9月)というのだからすごい数ですね。今もなおその状況が続いています。イギリスの看護協会が強く十分な賃上げを望んでいる理由でもあります。

なにしろ従順で穏やかな国民性を持つ日本人においては、イギリスと同じストライキ運動がおこることは考えにくいですが、看護職員に対する賃上げは早急に解決すべき課題と言えるでしょう。

再び訪問看護師としての今後

とにかく看護師の人手が足りない、これは昔からですが、とくに高齢化と在宅医療の重視により訪問看護ステーションで働く看護職員の絶対的不足が年々ひどい状況になってきているようです。理由としては賃金です。看護師免許を持っているならば病院で働いた方が稼げるとのことで、知人の看護ステーションも常時看護師を募集している状況。なかなか人が集まらないことが悩みの種でした。
そして、もう閉所するしかないかという状況まで追い込まれ、私に白羽の矢が立ったのです。
経験不足の私では大役ですので、私のクライアントで訪問看護師をなさっている方を紹介しましたが、現職場のステーションを離れることも難しく、にっちもさっちもいかない(古い表現ですが笑)状況。
どうにかならないかとお声があり、今一度訪看ステーションの話を伺うと、大変大変困っている状況が容易に想像できました。
ステーションの閉鎖は、それを在宅で利用してるご本人とご家族を路頭に迷わせることにもなりかねません。必要なケアが受けられなければ体調管理はできず健康を害する可能性も大いに考えられます。

悩みに悩んだ揚げ句、Yesのお返事をしたところ、もうすぐにでも来てほしいと。2023年からお手伝いさせていただくことになりました。
早々に引継ぎ業務が来週から入ってきます。まずは同行訪問、そして自治体などに提出する種々の書類に関する業務の理解。正直バタバタで、私ができることがあればという状況で、とにかく利用者さんへの事故を起こさないことを最優先にしてまずは業務を覚えていこうと思います。
振り返れば、ありがたいことに非常に多くの看護職の経験をさせていただきました。どれも経験年数が短く浅く広くではありますが、自分の子どもたちには「人からありがとうと言ってもらえる仕事を、一生涯続けられる人生に」と伝えていますので、その後ろ姿を見てもらたら嬉しいです。訪問看護にしろ、ホメオパシー自然療法にしろ、少しでもお役に立てるよう尽力いたします。

勤務シフトをどう組むか、引継ぎをしながら今後思案していきます。クライアントのみなさんにご迷惑をかけないよう努めますので今後ともよろしくお願い申しあげます。

ホメオパシー健康相談では必要に応じて血圧測定を行います

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健康相談日の稼働日数が限ら,れますのでご不自由をおかけしますが、できるだけ調整してまいります。お急ぎの場合は問い合わせフォームからご希望日時を複数あげていただければ調整がしやすいです。ただし、ご要望に添えない場合がありますことをご理解ください。


この件に関して、何か気になることやご心配などあればお気軽にメールください。
長文、最後までお読みくださりありがとうございました。

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