健康コラム

2022.07.26

サル痘とAIDS差別再来

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昨日、日本でもサル痘の罹患患者が出たとニュース速報がありました。

サル痘、これは聞き慣れない感染症でいったい何?と思っておられる方も多いでしょう。
これは、コロナの延長線上にある病気ではなく、それとは別の感染症です。

先週、WHOはこの病気の爆発的な感染拡大を指摘していました。私も週末から少しずつ情報収集を行っていましたが、まだまだ未知で詳しい情報はこれからといった状況です。
取り急ぎ、今の時点で分かっていることをお伝えします。
※情報は随時更新されますのでみなさまも最新情報を入手なさってください。

サル痘の症状

もともとアフリカ地域の風土病として散発的に流行が見られたこのサル痘。天然痘によく似た病気としてバイオテロの対策としてもワクチンや治療薬の開発が急がれていました。

たちが良く耳にする水痘(水ぼうそう)、これはChickenpox(チキンポックス)ですが、サル痘はMonkeypox(マンキーポックス)。
水ぼうそうのように熱が出てぶつぶつが全身に出るのが特徴です。加えて咳やのどの痛み、のどの腫れなどの呼吸器系の症状が生じることも少なくありません。


感染後2週間程度でにきびや水疱のようなできものができます。全身に出ることもありますが顔だけとか、手や足、口、性器や肛門周囲(あるいは肛門内部)などの特定の部分だけに生じる場合もあります。このできものは強いかゆみや痛みを伴うこともあり、時として日常生活に支障をきたすほどです。こういった症状が2〜4週間続きます。


一部の人は、熱やリンパ節の腫れ、頭痛、体のだるさなどの新型コロナあるいはインフルエンザに類似した症状をもちます。これが吹き出物の前や吹き出物と同時に発生する場合があります。

多くは軽症がほとんどのようで、発熱や関節痛です。
ただ、厄介なことに新型コロナの感染症状に類似している部分もあるので注意が必要です。
コロナと明確に区別がつく症状としては、生殖器領域の病変を発症しているかどうか。
特に喉や尿道、直腸にびらん症状が出た場合は耐え難い痛みが伴いますので受診行動による迅速解決となるだろうと考えます。

最近のナイジェリアとコンゴのサル痘のケースは、ウイルス暴露後1〜2週間で痛みを伴う全身発疹が発症する可能性が示唆されています。


今までの風土病のサル痘ウィルス(オルソポックスウィルス)が変異した亜種が感染拡大しているとの情報もあり、新型コロナと同様に爆発的な感染拡大に注意が必要です。

治療

サル痘の特効薬は今のところありません。天然痘の派生ウィルスと考えられているので(親玉は天然痘)、抗天然痘ウィルス薬による治療が行われるようです。また、感染の可能性が高い場合はワクチン接種(JYNNEOSワクチン)が勧められています。

同性愛者が多い地域の自治体(ニューヨーク州など)では、これらのワクチンがある一定数確保されつつあります。4週間おきに2回接種が必要で、曝露の可能性があった場合に速やかに接種することで感染を防御するあるいは、症状を軽くすることが可能であると言われています。

感染経路

サル痘ウイルスを持っている人の発疹やびらんに直接接触することで感染が広がります。
悲しいことに、サル痘感染者が使った衣類や寝具、その他のアイテムに触れたり、長時間の呼吸飛沫感染も指摘されています。
伝染は、性行為や親密な関係で起こるといわれています。具体的には以下のようなことです。

  • 経口、肛門、膣のセックス
  • 抱擁、キス、抱擁、マッサージ
  • 上記のような親密な活動に関係している最中にウィルス感染した寝具や他のアイテム(性行為玩具)に触れる

※現時点では、サル痘が唾液や精液、膣液または糞便を介して広がるかどうかはわかっていません。

「トイレを使うのが怖い」

過去にAIDSが恐れられた時に、根深い差別が生じました。同性愛者に多発するAIDSは偏見と排除をもたらしました。
同じく、このサル痘も同性愛者に発症者が多く、性行為感染症の可能性が否定できません。実際にゲイやバイセクシャル、男性と性行為をする男性の感染が多く見られているからです。

未知の感染症が広がる初期はたいてい、その恐怖心から差別が生じやすく、「手を握ったらうつる」とか「近くに来るな」などとかつてのAIDS差別の記憶がよみがえります。
LGBTQに対する排除はあってはなりません。
くれぐれも冷静に判断なさってください。

ホメオパシーとサル痘

ホメオパシーは同種療法ですので、サル痘が天然痘の派生系と分かっている現段階では、天然痘ウィルスのレメディ(Vario)が第一候補です。
その他は、それぞれの発症している症状に応じたレメディを選択していきます。

感染拡大を防ぐために早期受診による確定診断は最重要行動です。
HIVや免疫系が弱い状態の人がサル痘ウイルスに感染した場合、重症化しやすいことが分かっています。このほかに、アトピー性皮膚炎や湿疹(皮膚がデリケート)な方もびらん症状が強く出る場合があります。

発症の有無にかかわらず、また感染の可能性に関わらず、ベースとなっている基礎疾患(慢性病)はできるだけ自然療法で解決を促すことが望ましいと考えます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

参考リンク:モンキーポックス – ニューヨークヘルス (nyc.gov)

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