自閉症ではない人が自閉症を知るためのバイブル

「いったい僕の(私の)何が分かっているというの?」

自閉症の人にこう質問されたら私は口を閉ざすしかありません。


失恋したことのない人が、失恋したお友だちの本当の辛さについて分からないように、自閉症で悩んだことのない私は、彼らの本当の悩みや苦しみを理解することはできません。


でも、知ろうと努力することはいくらでもできます。

テンプル・グランディンという女性、「世界で最も影響力を持つ百人」に選ばれた方ですが彼女は紛れもない自閉症です。


テンプル・グランディン「自閉症と生きる」

これは自閉症であるテンプル本人が60歳を超えて自分を振り返り、それをサイ・モンゴメリーという人が文章にしたもの。

「自閉症と自分と人生」を客観的に具体的に描いた良書です。

自閉症の快・不快が分かれば、彼らの反応や行動が「おかしい」という簡単な言葉で片づけられないことに気づきます。


画家であるゴッホはコミュニケーション障害と破壊的なキレやすさのために「きちがい」と言われていましたが、彼もまた自閉症。耳を切り落としてからピストル自殺をするまでの2年の間に凄まじく膨大な量の絵を描いています。この話をすると長くなるので割愛しますが、ゴッホは絵を描くことによって自分の発作をコントロールしていました。(このあたりの分析は小林秀雄氏が素晴らしいです)


話を元に戻しますが、

なにを精神の病気ととらえるかは時代とともに常に変化しています。みんなが家で畑を作り家畜を育てていたころは、今日であれば多動のレッテルを貼られる子どもは、元気のいい子だと褒められていたのです。

「違い」は必ずしも異常や障害ではない。

この本は、子ども向けに書かれていますが、それだけに私たちのような頭のコチコチになった大人にも理屈ではなく感覚で教えてくれます。

そして、自閉症の理解だけでなく、理屈ではなく感覚で生きている動物たちの世界についても垣間見ることができます。


You Tubeにテンプル・グランディンのTED講演がアップされています。

この動画の理解には、先にご紹介した書籍が非常に役立ちます。ぜひあわせてどうぞ~。