
更年期の気持ちの落ち込みにはレメディを
女性の生理の周期が不規則になってくる時期を、閉経期とか、更年期とか言いますね。
この時期にはうつ病のリスクが高いと言われています。
うつ病と診断される人は本当に重症の場合で、多くの人は「なんとなく気分がすぐれない」とか「気持ちが下がる」、「やる気が起きない」、「人に会いたくない」などといった表現が適切かと思います。
同時に、「体がだるい」、「朝起きられない」、「疲れやすい」などの身体症状から、今までのように家事がこなせなくなるケースも少なくありません。
更年期あるいは閉経期は、女性の登竜門で誰でも通りますが、その症状には個人差がはっきりしているのも特徴です。
そういった更年期の気持ちの落ち込みに対して、ホメオパシーを使用することは、世界的には広く行われていますが、その有効性についての臨床試験はなかなかありませんでした。
今回、メキシコシティにある公立研究病院のホメオパシー外来で、閉経期の女性133人(中等度から重度のうつ病と診断された人)に対して、現代医薬とホメオパシーレメディの無作為プラセボ&二重盲検法によって研究された内容をシェアしたいと思います。
対象:
閉経期の女性133人(中等度から重度のうつ病と診断された人)
方法:
6週間の追跡調査による無作為化プラセボ対照、二重盲検、二重ダミー、優位性、3群試験を実施
精神疾患の分類DSM-IV(中等度から重度の強さ)に従って、大うつ病と診断された閉経後および閉経後の女性133人が対象。
個別相談で選ばれたホメオパシーレメディとプラセボレメディ
フルオキセチン(プロザック)とプラセボ薬
この2パターンによって、閉経期の気分の落ち込みに対するそれぞれの有効性と安全性を評価しました。
分析方法:
患者にそれぞれ6週間の治療を実施。治療後にうつ病、ベックうつ病インベントリ、およびグリーンスケールの17項目におよぶハミルトンレーティングスケールを用いてグループ間の平均合計スコアを評価した(ボンフェローニ事後検定による分散分析)
結果:
ホメオパシーレメディ群はプラセボ群よりも優れていた。
うつ病の病訴は、現代医薬(プロザック)群よりホメオパシーレメディ群が優れていた。
今回の中等度~重度のうつ病に対しては、プロザックがうまく作用していないことが判明(軽度のうつ病に関しては研究していないので不明)
しかも、プロザックはうつ病だけをサポートしたが、ホメオパシーレメディによる治療では、心身のさまざまな更年期症状も改善がみられた。
つまり、この研究では、ホメオパシーレメディは「部分を解決する」のではなく「全体に足しいて全人的に作用する」ということが分かる。
結果の詳細:
6週間の治療後、ホメオパシーグループはプラセボよりもハミルトンスケールで5ポイント有効だった。奏効率は54.5%、寛解率は15.9%だった。応答率の定義のみでグループ間で有意差があり、寛解率ではなかった。フルオキセチンとプラセボの差は3.2ポイントでした。ベックうつ病インベントリーのグループ間で違いは観察されなかった。ホメオパシー群はグリーン気候尺度でプラセボより優れていなかった(8.6ポイント)。フルオキセチンは、グリーン気候尺度でプラセボと違いはなかった。
まとめ:
ホメオパシーレメディとフルオキセチン(プロザック)は更年期の女性にとって効果的で安全な抗うつ薬として用いられています。
しかし、プラセボによる二重盲検法を用いて明らかになった両者の違いは、ホメオパシーレメディはその人が抱えている更年期症状の全般を改善したのに対し、フルオキセチンは、うつ病のみを解決したという点です。

引用サイト:
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25768800/