嗚咽で目覚めた朝

カズオ・イシグロ「私を離さないで」お読みになりましたか?映画化されているのでご存じの方も多いでしょう。私が単行本で読んだのは2年前です。

それが、なぜだかわかりませんが昨夜の夢で現れたのです。


昨夜の夢は「命の終わり」を意識した内容でした。


医療に携わる仕事をしていると「人生の終わり」に立ち会う場面が多々あります。看護師時代は「あの患者さん、深夜勤でステッった」と言えば、あぁその勤務時間帯にお亡くなりになられたんだな、ということを意味します。

この言葉の語源であるステルベンStrbenとはドイツ語で「死亡」を意味します。

死に向かう人に病院という限られた空間の中で臨終に立ち会います。死後の処置をし、そして出棺まで立ち会うこともあります。



今、保健師ホメオパスとして臨終現場に立ち会うことはありません。しかし、死を強く意識して生活なさるクライアントさんのサポートをさせていただくことはあります。


ステージ4の末期がんの方、自分の命を他人(医者)にゆだねたくないと言いながら、全てにおいて自己選択なさりながら毎日を過ごされています。

健康相談の時におっしゃったのは

「あまりにも苦しくなったら病院に行くつもりよ、でも今、病院に入って化学療法でもしたら、残りの人生が少なくなってしまうのが分かるから(やらない)」

と、ビワの葉を集めて患部に湿布したり、いくつかの代替療法を取り入れて体調のコントロールをなさっています。


もう一方で、自殺企図の既往歴を持つクライアントさんもいらっしゃいます。長きにわたる精神的な不安定さから自殺を図り、精神科に搬送された方。「だいぶ正気に戻ってくるとね、あの頃はバカなことをしたと思います」、そう言いながら精神的な安寧をホメオパシーに求められる方もいます。自死を選択する方々は地獄のような苦悩の中過ごしておられます。その苦悩から解放されるなら「生きる」という選択をすることを心から願っているに違いありません。自殺企図のクライアントさんのお話を伺いながら、私はいつもそう感じます。(ちなみに自殺願望のクライアントさんは、精神科の治療が必要ですので、ホメオパシーを併用することが可能です)


それから、病室で息絶え絶えの中、ご家族からレメディを口の中に入れてもらう方もいらっしゃいます。少しでも楽に最期を迎えられるようにとの、ご家族の想いです。



保健師ホメオパスはそれぞれに対してレメディをお渡しします。対峙するのは第三者の死ですが、かく言う私もいつかは死を迎えるという事実があり、このブログを読んでくださっている皆さんと同じく普段の生活で死を意識することはありません。

しかし昨夜は死にゆくことを強く意識した夢をみたのです。これは何かのお知らせかどうかも、今は分かりません。でも大事にしなければいけないテーマであることには違いありません。


カズオ・イシグロ著「わたしを離さないで」に関連付けて、以下私が早朝3時に目覚め今に至るまで書き込んでいた、この作品に対するアマゾンのレビューです。




-------------------------------------------------------------------


今朝は奇妙な夢で目覚めたのでわすれないうちにPCに向かって打っています。ネタバレの部分があるかもしれませんので、まだお読みになってない方は読み飛ばした方がよさそうです。

それから、わたしはレビューを書かれているみなさんのように文章に自信がありません。カズオ・イシグロさんのこの作品を読んで影響を受けた人間ですので、作品と比べるに値しないものだとご承知で読んでいただけるとうれしいです。



本を読んだのは2年前。当初はまわりくどくて長いな。と思いながら読み進めていました。でも心理描写は確実に私の心を揺り動かしていたのでしょう。2年たって、つい今しがた見た夢がこの作品に類似していたのです。午前3時、この夢で目が覚めてトイレに行って、どこかで知ってるようなストーリ…。そうだ、あれは「私を離さないで」だ、とカセットテープの本の表装がすぐに思い浮かびました。そして今、PCに向かっているわけです。



ご想像どおり、私が殺処分される立場になった夢でした。最後の晩餐で明日殺処分されるみんなと交流し、手をつないで輪になって歌を歌っているのです。みんな目を見開いてお互いの姿を目にやき付けようとしているかのようでした。歌いながら涙がこぼれます。「わたしもみんなと同じ気分よ」、いえた言葉はそれだけ。腹から声を振り絞るように言ったつもりなのに、声は思うほど出ません。

その晩餐の直前に、担当者(おじさんでした)の立ち居振る舞いから自分が明日殺処分されるということを悟ります。そしてその担当者に口に出して確認したところ、まさにその通りだと返事がありました。

旧友が同じ目に遭っているので覚悟はしていましたが、逃れられない宿命に一瞬だけ腹立たしさを感じました。私はその担当者に「あなたもいずれ同じ目に遭うんだからね。私たち少し先に言って待ってきますね」と言い放つのが精いっぱい。その担当者は否定も肯定もせず、「はじめて殺処分しないといけなかった夜は眠れなかったよ」と自分の目元を鏡で覗き込みながら他人事のように言います。殺処分に慣れてしまったその無感覚な表情は今でも脳裏に焼き付いています。自分の嗚咽で目が覚めました。そして30秒くらいはみんなと一緒に歌っているメロディが頭の中を流れていました。




殺される、、、、普段私たちは自分がいずれ死ぬという事実を頭ではわかっていても、こころでは意識していません。でも、そうでもない人たちもいます。余命をカウントダウンするがん患者や自死を選ぶ人は、この作品の殺処分の子どもたちと似たような気持ちかもしれません。

私の今回の夢は、和歌山カレー事件の主犯者とされている(?)ハヤシマスミさんのお子さんが長年の激しいいじめなどの苦悩を理由に身投げ自殺されたといういたたまれないニュースも少なからず私の心に影響を与えていると思います。

不死鳥を手に入れたいとは思いませんが、私にとってこの世で過ごしている大事な人たちにお別れを告げるのはとてもとても悲しいことだと思います。


犬や猫たちが命の終わりを受け入れるように、私自身もジタバタせず目を見開いてこの世を堪能し運命を受け入れたいと思いました。


-------------------------------------------------------------------


長い文章となりましたが最後までお読みいただきありがとうございます。



#保健師ホメオパス

#尊厳死

#安楽死

#人生観

#自然療法

#ホメオパシー

#わたしを離さないで

10回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示