
ホメオパシーの無料クリニック
カリフォルニア州のサンフランシスコには、Bernal Heights Neighborhood Centerという低所得の人々が無料で食事を食べれたり、教育を受けたり、運動療法を行ったりといった、健康に関するさまざまなサービスが受けれる施設があります。
安価な価格で賃貸住宅を提供したり、まともな教育を受けることができなかった青少年への就学サービスなど、地域で弱者と呼ばれる人々が、安心して生活できるよう支援している総合福祉施設のようなところです。

これを運営しているのは自治体ではなくボランティア組織。
その施設の中に、2011年からホメオパシー無料クリニックも入っているんだそうです。
活動はたった一人のホメオパスによって行われているのではありません。
複数のホメオパスと学生たちが協力し合ってクリニックの運営に当たっています。
BHNCでのホメオパシーの実際
このセンターにやってくる人々の中で、健康問題を抱えているのは主に高齢者。その大半は低所得または確定収入で、何十年も前に主にメキシコをはじめ、プエルトリコ、コロンビア、ブラジル、グアテマラ、ニカラグア、中国などの国々から移住してきた移民で、健康管理を受けられず、保険に加入していない可能性があります。
高齢者の主訴の内容は主に関節痛みと関節のこわばり。そして、転倒や古傷の痛みです。
そういう時に、Arnica(アーニカ)、Bellis perennis(ベリスペラネス)、Rhus toxicodendron(ラストックス)、Bryonia(ブライオニア)、およびHypericum(ハイペリカム)が大活躍するんだそうです。
そのほかにも、消化器系の問題(クスリの副作用を含む)、不眠症、頭痛、風邪、咳、アレルギーなどにも対応しています。
高齢者の悩みは身体にとどまらず、彼らの不安、悲しみ、憂鬱などにもホメオパシーで対応。
さらに、より重症な多発性硬化症、統合失調症、パーキンソン病などの症状をホメオパシーで軽減することによって、彼らの生活の質を向上させることができるというのですから素晴らしいなと思います。
高齢者のほとんどは、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの現代医薬を服用しているので、それらがうまくホメオパシーと調和するように、プライマリケア医や他のヘルスケア専門家と連絡を取りレメディをお渡ししているとのこと。
これこそが多様性を活かした統合医療だなと思うのです。
看護師さんに関心が高いホメオパシー療法
現代医学を学んだ看護師たちは(私も同じく)、このホメオパシー療法の考え方やアプローチの仕方に興味を抱きます。
しかし、治癒過程のプロセスに対する前提があまりにも違いすぎるので、ホメオパシーの理解を深めることは容易ではありません。
これを解決するために、このクリニックでは何度か共同講義を行っているんだそうです。
高血圧や肥満などの生活習慣病と生活改善についての話のあとに、ホメオパスによるそれら疾患へのアプローチ方法、選択されるレメディの紹介など。
特に、そういった症状が一人一人の既往歴とどう関係があるのか、個別的なレメディ選択におけるアプローチの方法などは関心が高く、今後も学期に一度はホメオパシーについての情報交流を提供する予定なんだそうです。
これらは医療従事者がホメオパシー療法を理解すること以上に、自然治癒力を活かした代替療法を知る入り口にもなるのかなと思います。
BHNCで、2011年からすでに7年以上にわたってホメオパシーのクリニックが継続されている理由は、無料だからというよりも、地域のニーズに即しているという一定の評価があるということなのかなと思います。
副作用のない自然療法であるホメオパシーを、一人でも多くの人たちの健康管理に役立ててほしい。それは私たちホメオパスの願いです。
しかし、一人の力では体力的にもコスト的にも限界があります。
ホメオパスが互いに協力することでこのBHNCの無料クリニックのような活動ができるだろうなぁ、と思う今日この頃です。
参考サイト: