「今、ESBLが怖いんですよね」

最終更新: 7月5日

健康相談でそう語られた看護師のお客様。

え、なんですか?ESBLって?

お客様から教えていただくことがたくさんあり本当に勉強になるんです。


「耐性菌なんですよー。クスリが効かないからもう大変」

「それって接触感染?感染経路は??何の抗生剤出すんですか?」


・・・という具合にすっかり医療従事者の会話になってしまう。



〇ESBLってなに?


そもそもESBLというのはMRSAや緑膿菌のように単一名称ではなく、ESBL(Extended-Spectrum β-Lactamase)という物質を作り出して抗生物質を無毒化してしまう菌の総称らしいのです。

日本で見つけられたのは1995年で、増加傾向にあるそうで。


・健康な人からも見つかる常在菌(健康人のウンチの2%にこの菌がいる)

・元気な人には問題を起こさない

・EBSLに感染すると肺炎や尿路感染を引き起こし、呼吸器の症状(痰がたくさん出て息が苦しい)や腎臓の症状(最悪はおしっこが出にくくなる)が現れる

・抵抗力が低下した重症患者(全身にカテーテルが入っているような人)が感染しやすい

・ICU・CCU(集中治療室)などの閉鎖空間で感染しやすい

・医療者の医療行為による接触感染によって感染が拡大する



常在菌ということはつまり、細菌=病原菌ではない代表例がこのESBLということか。

そもそも私たちのカラダで菌が存在しない場所はないと言われるのだから、私たちは細菌にびっしり覆われている=共生している。

でも、抵抗力が著しく低下している患者さんは、こういったフツーの菌が脅威になってしまうのです。


私に言わせると、菌は宇宙人のような存在!瞬間的な情報交換(テレパシー)によって私たちの体内で爆発的に増殖する力を持っています。

オセロがどんどん裏返っていくかのごとく、薬剤耐性菌は体内でワァーっと拡大していく・・・。

これは同一体内だけにとどまらず、隣人にもテレパシーが伝わり院内の感染速度が加速します。

耐性菌というのは、生き残る力の強い菌なわけで競争社会に勝ち残った菌。

成長速度の遅い菌はそもそも勝ち残ることができません。菌が自分の生命を維持するために強靭な力をもったスーパーサイア人なわけです。←すみません、ドラゴンボールの話にとんでしまいました(汗)


で、この菌に効くクスリはあるのか??気になるところですね。

好んで使用されるセフェム系の抗生物質はまったく無効だそうです。で、カルバペネム系の抗生剤(チエナムが代表薬剤名)を使えばESBLに対抗できる!

でもね、実はチエナムに耐性を持つ緑膿菌がはびこる可能性があるのです…。

緑膿菌だって自然界にフツーに存在している菌です。でもこの菌はもともと抗生物質や消毒薬に強いので、抵抗力が低下した患者さんにはとても厄介な菌になります。

あっちを立てればこっちが立たず…。このスパイラルに陥らないようにするためにはどうしたらいいんでしょう?





<対策>

・医療スタッフがしっかり手洗いを行い患者さんに感染させないこと

・必要のないカテーテルは即時抜去すること

・抵抗力を高めること(栄養状態の改善)

多剤乱用の中止!クスリの使用は必要最低限に!


ESBL感染であればアルコール消毒で対応できるのですが、緑膿菌ともなると次亜塩素酸(ハイター)が必要になります。人体に有害であることは紛れもない事実で、もぐらたたきをしているような気さえしますね…。


参考サイト:http://www.tatujin.net/ESBL.html











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