ホメオパシー療法の手法
使う道具
ホメオパシーで用いるのは、レメディ(Remedy)と呼ばれる小さな粒。語源はre(再び)、medy(癒す)からきています。
直訳すると「家庭医薬」や「救済」などの意味があります。
この小さな粒を口の中でゆっくり溶かして摂取します。子どもたちはレメディという名のキャンディが大好きです。
この粒の他に、マザーティンクチャーと呼ばれる薬草酒(適切な比率でアルコール漬けされた薬効成分抽出液)を併用することで、肉体的な問題の緩和を図ります。
レメディの原料と製造方法
レメディは、自然界に存在するものを用いて作られ、大きく4~5種類に分類できます。これを粉砕したり溶解し、ホメオパシー的手法で砂糖粒に浸透させています。製造は、世界各地のホメオパシー薬局で厳格な手法で作られます。
※当相談室では、主にアメリカ、イギリス、インドなどから輸入した原料を用いております。マザーティンクチャーは、特定の生産農場と契約しオーガニックに栽培されたものを扱う信頼のおける企業から購入しています。
・植物系・・・一般に使われるレメディの60%以上は植物由来です。キンセンカやカモミール、西洋オトギリソウ、トリカブトなどなど薬効成分や有毒成分のある植物も多く原料に使われます。
・動物・昆虫系・・・動物であれば、牛、豚、スカンクなど。昆虫であれば、蛇やハエ、ミツバチなど。基本的に健康体のものから採取した原料で作られます。
・生物学的素材・・・DNAやウィルス、菌など
・化学的素材・・・自然界の鉱物です。塩や硫黄、金(ゴールド)や水銀、アルミニウムなど
・その他・・・抗生物質や精神安定剤、ステロイド剤などの薬物療法の薬を原料とするもののほかに、花粉やチョコレート、放射線などもあります。
希釈の不思議
ホメオパシー療法は「似たものが似たものを治す」、つまり健康な人に与えてある症状を出す物質は、同じような病気の症状を治すことができる、というホメオパシーの基本原理から成り立ちます。
これは「同種の法則」として知られているものですが、何も新しい原理や未知の原理ではありません。西洋医学の父、ヒポクラテスの文書や、古代インド医学にもそういった記述を見つけることができます。
医薬品が製造されるずっと前から、人間は身近にある薬草を用いて病気を治療していました。
たとえば、ベラドーナ(西洋ハシリドコロ)という植物は、しょうこう熱の特効薬だと言われていますが、それはベラドーナ中毒の症状がしょうこう熱の症状と類似しているからです。どちらも、肌が焼けるように感じられる、瞳孔が開いて目が輝く、喉が乾燥して痛む、興奮し譫妄が起こるといった症状を持ちます。
他の例では、タマネギの皮を剥くと目と鼻に焼けるような感覚を起こし、水っぽい分泌物が出ます。風邪をひき同様に水っぽく焼けるような目と鼻の感覚に苦しんでいるときに、赤タマネギから調製したレメディ(All-cアリウムシーパ)を取ることによって解決を促すことができます。
ポーテンシー化について
自然界には致命的な毒を含む有毒物質もたくさんあります。ハーネマンはこれら自然界に存在する物質を極度に薄めることによって、より成果が上がることを発見しました。ホメオパシー療法では、レメディの希釈率を「ポーテンシー」という言葉で表現します。
植物や動物、鉱物などの材料をアルコールなどの適切な溶媒から抽出し、振盪と摩擦を加えて調製します。実際には、薄めた物質をたたいて振動を与えることで、その物質の持つエネルギーを活性化すると言われています。
ポーテンシーの希釈割合は、10分の一比率(1:10)、100分の一比率(1:100)などです。
化学の用語では10-1と書く10分の一希釈を、ホメオパシーでは1Xと言います。さらに薄めた100分の一希釈(10-2)を1Cと言い、セルフケアで主に使用されるのは30C(10-60)です。
24Xまたは12Cより薄まれば、どんな希釈液でもアボガドロの限界を超えてしまうので、いかなる物質であれ、そこから先の希釈液に分子が一個でも含まれる可能性は低いわけです。

今の医学者や化学者の常識では、このような希釈液は溶剤のアルコールと水の混合液と何ら変わらないわけで、ホメオパシーが非科学的だと言われる所以でもあります。しかし、これは「常識」による議論であり、希釈度の高い物質に強い効力があるかもしれないという可能性を否定するだけの証拠は、ホメオパシー否定論者から示されておりません。
ホメオパシー従事者が求めているのは、常識的な憶測ではなく、臨床的な事実によって得られた結果であるということなのです。
ホメオパシー
健康相談
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さまざまな健康問題に対応
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赤ちゃんも妊婦さんも、動物にも安心して使える
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使うのは直径3ミリ弱の小さなキャンディと薬草液
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原料の大半は自然界にある物質
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原料を極端に薄めているので副作用の心配がない